【水口教授のESG通信】生態系を支える虫たち - ESG投資はどう応えるのか

地球上の花をつける植物の9割は、多少なりとも動物、主に昆虫による花粉媒介に依存しています。そしてそれらの植物が多様な生物のエサになったり、生息地になったりします。昆虫がいなくなれば、植物が受粉できず、植物が受粉できなければ、他の生物のエサや生息地も失われ、生態系全体が崩壊しかねません。ところが昆虫種の3分の1が絶滅の危機に瀕していることが、ある論文によって明らかになりました。これは生態系全体に関わる重大なESG課題です。では、なぜ昆虫は減っているのでしょうか。最新の研究を紹介します。

【水口教授のESG通信】企業価値からサステナビリティ選好へ ― ESG投資の新しい論理

ハーバード大学教授が「受託者は受益者の利益のみを考慮すべきだ」としてESG投資に批判的な論文を発表した。ところが、当の受益者がサステナビリティ投資を望んでいるとの別の論文もある。受益者のための行動とは何をすることなのか、研究者たちの論文を読み比べてみよう。

【水口教授のESG通信】ESG投資推進派の落選 - カルパース理事選挙の結果をどう捉えるか

米国最大の公的年金カルパースで、2018年10月、理事選挙が行われ、ESG投資を積極的に推進してきた現職のプリヤ・マサーが、対立候補のジェイソン・ペレズに敗れる波乱がありました。これはESG投資に対する批判の表れなのでしょうか。選挙結果の背後にある意味を読み解いてみたいと思います。

【水口教授のESG通信】テクノロジー産業とESG投資 - その光と影

2018年9月に開催されたPRI in Personでは、テクノロジー産業とESG投資に関してさまざまな議論がなされました。テクノロジーはESG投資を推進する力を持ちますが、テクノロジー自体が多くのESG課題と関わってもいます。実際にESG投資家はアップルとエンゲージメントを始めたり、フェイスブックに株主提案をしたりし始めています。ESG投資はテクノロジー産業とどう向き合うのか、最近の動向をまとめました。

【水口教授のESG通信】個人向けESG投資の時代

 欧州委員会は2018年3月に公表したアクションプランの中で、ESG投資のすそ野を個人投資家へと広げていく施策を盛り込みました。その背景には個人投資家の多くがサステナビリティに価値を置くとの調査結果が出始めたことがあります。それでは、今後、日本でESG投資が個人投資家へと広まるためには何が必要なのでしょうか。その課題と方向性について検討します。

【水口教授のESG通信】PRI in Person 2018 参加報告

2018年9月12日から14日まで、サンフランシスコでPRI in Person 2018が開催されました。世界のESG投資関係者1200人以上が集まり、3日間にわたり、幅広いテーマが議論されました。中でも今年のキーワードは、気候変動、中国、経済的不平等の3つだったと思います。今年、サンフランシスコでどんなことが語られたのか、その概要を紹介します。

【水口教授のESG通信】ポスト抗生物質時代の黙示録 - 欧州投資家が注目する食品問題

「これはフードサプライチェーンの問題なのです」。2018年6月、ロンドンで開催されたRIヨーロッパの全体セッションで、イングランドの最高医療責任者であるデーム・サリー・デービス教授は抗生物質が効かなくなる薬剤耐性菌のリスクについて語りました。家畜を狭いスペースで集約的に飼育する工場的畜産で大量の抗生物質が使われ、それが薬剤耐性菌のリスクを高めています。そのような畜産農家から肉を仕入れる食品関連企業にとっての新たなESG課題となる薬剤耐性菌の問題と、欧州投資家の反応をまとめました。

【水口教授のESG通信】サステナブル金融とは何か - 欧州委員会アクションプランの意味すること

欧州委員会は、2018年3月8日にサステナブル金融に関するアクションプランを公表しました。これは、1月に公表された「サステナブル金融に関するハイレベル専門家グループ(HLEG)」の提言を受けたものです。その内容は多岐にわたりますが、大きく分けると、再エネ事業などのサステナビリティ活動へと民間の資金を振り向けることと、金融・資本市場全体のサステナビリティ化を促進することの2つの側面があることがわかります。このアクションプランは、これまで民間の自主的取り組みとして進展してきたESG投資への動きをさらに加速するものになりそうです。その概要を紹介します。

【水口教授のESG通信】持続可能な水産 - 資本市場からのアプローチ

 魚は、本来、適正な漁獲量を守っていれば、永続的に捕り続けられる持続可能な資源のはずですが、過剰漁獲のために持続可能性が危機に瀕しています。イギリスのフィッシュ・トラッカー・イニシアティブはこの問題を投資家の視点からとらえ、水産関連の上場企業228社を特定して、持続可能性方針の有無や情報開示の内容を調査しました。その最初の報告書『エンプティ・ネッツ - 過剰漁獲リスクはいかに投資家を座礁させるのか』を通して、彼らの主張に耳を傾けてみたいと思います。

【水口教授のESG通信】サステナブル金融への挑戦 - EUハイレベル専門家グループの提言

2018年1月31日、EUの「サステナブル金融に関するハイレベル専門家グループ」が最終報告を公表しました。その中では、サステナブル金融に関する機関投資家の義務を明確にすること、個人投資家への浸透を図ることなど、欧州委員会に対して相当踏み込んだ提言をしています。しかも欧州委員会はこの提言を基にアクションプランを策定し、政策に反映すると言われます。EUのサステナブル金融への取り組みは今後どう進むのか、提言の概要を紹介します。