【水口教授のESG通信】ステークホルダー資本主義は本物か - 2020年という年の意味
ESGの視点から重要と思われる2020年の出来事として、①新型コロナウイルス感染症の蔓延、②中国による香港国家安全維持法の制定、③グリーンリカバリーの進展、④IFRS財団によるサステナビリティ基準審議会の設置の提案の4つがあげられます。これらに共通するのは、環境と社会と経済の距離が縮まったということです。その意味ではステークホルダー資本主義「元年」となってもよい年でした。しかし一方で、「口ではステークホルダー資本主義を唱えながら、実際はまだ株主第一主義ではないのか」との批判も聞かれます。その批判の声に耳を傾けてみたいと思います。