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本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 議決権行使助言会社のグラスルイスは、最新の「議決権行使助言方針(Proxy paper guideline)」および「株主提案議案に関する助言方針( Proxy Paper Guidelines for Shareholder Initiatives)」で、企業が株主総会において株主から提出された議案を不当に除外したと判断した場合、当該企業のガバナンスに反対票を投じるよう助言する可能性があることを明らかにした。グラスルイスは、株主による全ての提案議案が「株主の長期的利益に資する」とは限らないことは認めている。

 グラスルイスのESGリサーチディレクターのコートニー・キーティング氏(Courteney Keatinge)は、「これまで、株主の幅広い支持を得て提出された多くの株主提案が株主総会に上程されなかった事例を繰り返し見てきた。例えば2017年の株主総会シーズンでは、臨時株主総会の開催を求める提案や企業に温室効果ガス排出量の削減を求めるいくつかの提案が上程されなかった。企業に取締役会の機密指定解除を求めるといった、ガバナンスに関する基本的な提案が除外されかねないという懸念も強まっている。企業にサステナビリティ・レポートの作成を求める提案などは株主から高い支持を得る傾向があるが、こうした提案が除外される可能性についても懸念する。企業が課題に対処していない場合や、株主への対応が不十分である疑いがある場合はなおさら問題である。とはいえ、今回の方針はまだ決定したばかりであり、どのように機能するかは、次の株主総会シーズンで確認することになる」と述べている。

 キーティング氏は、グラスルイスは除外された全ての株主提案を開示する方針も示した。同氏によると、「グラスルイスは今年初めて、顧客向けのリサーチレポートに、上程されなかった全ての株主提案を明記した。極めて不当と判断される場合は、グラスルイスは当該企業の指名委員会およびガバナンス委員会に反対票を投じるよう助言する可能性がある。例えば、ある企業がサステナビリティ・レポートの作成を求める株主提案を上程しなかったとする。既に企業がサステナビリティ・レポートを作成済みで、最新の情報も更新し公開している場合は、異議を唱えることはない。しかし、過去に同レポートの作成を求める提案が株主から極めて高い支持を得ており、再び同じ内容の株主提案が出されたにもかかわらず、提案議案を上程しない場合、話は別である。我々はこうした問題を全てケースバイケースで判断していく」とコメントした。

 2018年の株主総会シーズンでは、株主から議決の基準得票数の引き下げを求める提案を提出されないようにするため、会社側が臨時総会の提案を出す動きが広がった。グラスルイスは、基準得票数の引き下げを求める提案(その多くは株主提案)には概ね賛成票を投じるよう助言する方針である。一方、企業側が臨時総会で株主に既存の権利を承認するよう求めることで、(議決の基準得票数の引き下げを求める)株主提案の上程を阻止しようとする場合、グラスルイスは承認を求める提案および、指名委員会やガバナンス委員会に対して反対票を投じるよう助言する構えである。グラスルイスは新たなガイドラインで「株主提案を株主総会に上程しない対応をとることを問題視している。株主の権利が制限されてしまうほか、決議案の承認(または拒否)を通じて株主の権利に何らかの重要な変化をもたらすこともできなくなる」としている。


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【参照】
Responsible Investor, Paul Hodgson 「Glass Lewis to recommend vote against governance committees where shareholder resolutions have been wilfully expunged」2018年11月8日(2018年11月21日情報取得)


QUICK ESG研究所