株主総会のイメージ

このレポートは、QUICK ESG研究所のパートナーである米グラスルイス社が、同社のブログで公表した内容を翻訳・編集したものです。


 2017年9月21日、フェイスブックは提訴されていた議決権のない種類株式(無議決権株式)の発行計画を撤回すると発表した。この計画は、創業者マーク・ザッカーバーグ氏が同社の支配力を維持するためのものとみられていた。米国スナップ社がニューヨーク証券取引所への新規株式公開(IPO)の際、無議決権株式のみを発行したとして議論になったことは記憶に新しい。すでに主要インデックス提供会社は、種類株式発行企業を指数構成銘柄から除外する方針を示している。米国の投資家は、株主の権利を制限する恐れのある種類株式の発行に抵抗しているようだ。

 フェイスブックによる無議決権株式の発行計画も、やはり株主から支持は得られなかった。しかし、2016年、ザッカーバーグ氏の優れた経営手腕によりフェイスブックの株価が上昇したことから、当面は同氏の支配力がリスクにさらされることはない。計画が取り下げられたことにより役員たちは今後、フェイクニュースなど、直面している別の課題に注力することになる。

 株主の権利を制限する恐れのある種類株式導入を計画した結果、株主との間で訴訟問題に発展した最初の企業は、アルファベット(当時グーグル)である。訴訟が起きた2012年4月から約1年後の2013年6月、同社は、最終的に5億ドル以上の和解金を支払った。最近の事例は、2017年6月、米ネット複合企業InterActiveCorp(IAC)が、訴訟にともなう負担や騒動を理由に無議決権株式発行を取りやめた。

 スナップ社は、株式公開時に無議決権株式を発行したことで、投資家の怒りを買った。同社は共同訴訟には直面しなかったものの、主要インデックス提供会社による、種類株式発行企業を指数構成銘柄から除外する方針に則り、ラッセル3000指数やS&P500指数に採用されなかった。

 米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズ(ウーバー)は、2019年の上場を目指しており、その際、共同創業者のトラビス・カラニック氏やその他創業当時からの出資者を議決権上優遇しないと報道されている。2017年6月20日、カラニック氏は同社のCEOを辞任し、2017年8月27日にはダラ・コスロシャヒ氏が新CEOに就任した。しかし、2017年10月1日、カラニック氏は取締役会の他のメンバーの意見を聞かずに自ら任命権を行使し、新たに2人の取締役を任命している。株式公開するにあたり、株主としてのカラニック氏にどのような権利があるのか定かではない。しかし同氏が、株主総会時に他の投資家と同様、保有株式数に応じた議決権を行使することは明らかである。

By Shane Keenaghan

【元記事】
GLASS LEWIS, Shane Keenaghan「Facebook & Uber: Shifting Investor Sentiment as Founders Lose Power」2017年10月4日(2017年11月16日情報取得)

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