shutterstock_238596904

 米金融大手、モルガン・スタンレーの資産運用部門、モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントは2月12日、気候変動や化石燃料がもたらす影響を投資意思決定に効果的に統合するための新たなツールキット、Climate Change and Fossil Fuel Aware Investing Tool Kitを導入すると発表した。

 このツールキットは同社が2012年にローンチした社会的責任投資のためのプラットフォーム、Investing with Impact Platformにおいて導入されたもので、モルガン・スタンレーのアドバイザーらが個人投資家や機関投資家など顧客それぞれの目標に基づいて気候変動や化石燃料に関わるリスクをポートフォリオに統合した投資手法を開発する際に、顧客と共に使用するロードマップとして作成されたものだ。

 ツールキットの中には、化石燃料に焦点を当てつつ気候変動に関するトピックを網羅した手引きや、投資家が気候変動と化石燃料に関わるリスクと機会を理解するための枠組みが含まれているほか、化石燃料からのダイベストメント、エネルギー業界の中でも先進的な環境活動に取り組んでいる企業に絞った投資、エネルギー効率化・再生可能エネルギー、蓄電、電気自動車など気候関連・化石燃料に関わるテーマに焦点をあてた投資、株主行動による投資先企業への働きかけなど、投資家としてとりうる様々なアプローチも紹介されており、変動の激しい市場環境の中でポートフォリオの視点からそれぞれの手法をどのように実行すべきかについての手引きが提供されるという。

 モルガン・スタンレーのInvesting with Impact Initiativeの責任者を務めるHilary Irby氏は「このような最新のツールキットを提供し、グローバル課題に対処しつつ、競争力のある投資収益を追求する顧客を手助けすることができることを嬉しく思う。モルガン・スタンレーのフィナンシャルアドバイザーのサポートにより、投資家らは自身の投資がもたらす気候変動への影響を理解し、ポートフォリオをより資源効率の良い経済の実現へと転換することができる」と語る。

 また、モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのInvesting with Impact担当ディレクターを務めるLily Scott Trager氏は「我々は、投資家が化石燃料や気候変動に関わる対話を実行可能な投資計画に変換する上では多種多様なアプローチがあると信じている。このツールキットの中で示されているフレームワークは、気候変動や化石燃料を意識した投資に対する様々なアプローチを明確にし、インパクトと財務の双方の目標を一貫性がありかつバランスのとれた状態で実現できるポートフォリオを構築するためのレンズを提供することで、アクションに向けた触媒として役立つことができる」と語る。

 モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントは、気候変動や化石燃料を意識した投資には全てに当てはめられるような統一のアプローチはないということを前提としつつも、同ツールキットの提示する構造的な投資アプローチを採用することで、資産の戦略的な再分配を通じてポートフォリオ内のカーボン・エクスポージャーを削減し、それぞれの投資目標達成を支援することができるとしている。

 かつでは環境への負荷削減と投資リターンをいかに両立するかということがテーマとされていたが、今や長期的に魅力的な投資リターンを維持するためには、いかに気候変動や化石燃料に関わるリスクを管理し、新たな機会を見つけていくかが重要だという認識が広まっている。今回のツールキットもそうした投資戦略を策定する上で大いに役立つはずだ。

【参照リリース】Morgan Stanley Wealth Management Introduces New Tool Kit to Effectively Integrate Investing With Climate Change and Fossil Fuel Impact Goals
【企業サイト】Morgan Stanley
【参考サイト】Investing with Impact -Morgan Stanley

(※写真提供:Bastian Kienitz / Shutterstock.com

QUICK ESG研究所