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 本稿は、レスポンシブル・インベスター(RI)の掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 フランスの信用格付け会社でESGデータも提供するキバリオ(Qivalio)はスペインの格付け会社アクセソー・レーティング(Axesor Rating)を買収し、欧州で初めて「ダブルマテリアリティ」の評価を強みとする格付け会社を発足させると発表した。

 両社は今後「エティフィナンス(EthiFinance)」の名称で事業展開する。キバリオは以前この名称を使ってデータ、格付け、セカンド・パーティ・オピニオンやサステナビリティなど幅広いESG商品を市場に提供していた。

 エティフィナンスは今後も信用格付けに加え、ESG商品や助言サービスの提供を続けるとしている。

 事業統合が完了し次第、エティフィナンスのサステナビリティと信用格付けは約2,300の欧州中堅企業を対象にする予定で、対象とする中堅企業の範囲はサステナビリティデータのプロバイダーとしては最大になるとしている。なおエティフィナンスの定義による中堅企業には時価総額1.5億ユーロから100億ユーロの企業が含まれる。

 「ダブルマテリアリティ」は欧州委員会が導入した考え方で、現在EUが策定作業を進めている企業の情報公開に関する新指令の土台になると期待されている。それは、気候およびサステナビリティ要因が企業の財務に重大な影響を及ぼすというコンセンサスに加え、企業が社会と環境に及ぼす影響も重要であると認識することを意味する。

 EUのアプローチは国際財務報告基準(IFRS)とは対照的である。後者は、サステナビリティ要因が企業価値に及ぼす影響のみに基づいてリスク情報開示基準を策定している。

 エティフィナンスのCEOであるエリー・エリアード・デュブロイ(Elie Hériard Dubreuil)氏はRIの取材に対し、「直感的に言うと、将来起こり得るクレジットイベントをより効果的に予測するための、より有効な信用格付けを策定することが最終的な目標である。ただ今のところは、1つのプリズムを通じて世界を観るのではなく、現在利用可能な包括的なESGデータや他のツールを活用して適正に評価することを目指している。これは、我々がこの先行うことすべての核心となるだろう」と答えている。

 デュブロイ氏によると、エティフィナンスは各企業のEUタクソノミーの準拠状況を推定する独自の先進的な定性的手法に基づいて、信用格付けにサステナビリティの要素を組み入れている。同社はこうした商品への関心を見極め、基本モデルの精度をさらに向上させるべく、既に複数の投資家にアプローチしている。

 エティフィナンスの格付け手法はいまだ開発の初期段階にあり、現時点で公表する状況にはないとデュブロイ氏は説明している。

 さらに同氏は規制当局がESG格付けとデータセクターに対する監視強化を進めていることについて、「資本の配分におけるESGの影響力は強まっており、規制が強化されるのはごく自然の成り行きと思われる。規制に抵抗しようとしても時間の無駄であるというのが私の個人的見解である」と述べた。


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【参照】
Responsible Investor, Khalid Azizuddin 「New European credit ratings agency claims to be first with ‘double materiality’ focus 」2022年2月18日(2022年3月7日情報取得)


QUICK ESG研究所