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本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 ニューヨーク市のトマス・ディナポリ(Thomas DiNapoli)財務長官とオレゴン州のトビアス・リード(Tobias Read)財務官が率いる米投資家グループ(運用資産総額1兆ドル超)は、労働力としてなお過小評価されている障がい者のスキルを活用できる「インクルージブ・ワークプレイス(包括的な職場環境)」を企業に求める声明を発表した。
 ニューヨーク州のスコット・ストリンガー(Scott Stringer)会計監査官、イリノイ州のマイケル・フレリッチ(Michael Frerichs)財務官、ロードアイランド州のセス・マガザイナー(Seth Magaziner)財務官、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)のクリス・アイルマン(Chris Ailman)CIOも、この声明に署名している。

 「障がい者のインクルージョンは企業にとって利益拡大の絶好のチャンスである一方、ダイバーシティとイノベーションの推進にもつながる」と、巨額の運用資産を擁するニューヨーク州退職年金基金の運用委員長も務めるディナポリ氏は指摘する。また、「我々は、投資資金が企業のポテンシャルと長期的な利益率の最大化のために使われているとの確信を得たいのである。障がい者のインクルージョンによって、さまざまな観点から才能ある人材獲得の拡大が可能になり、良好な職場環境にも貢献し、企業は競争力向上にもつながる」と述べている。
 同氏は障がい者を今年の重要テーマに掲げており、1月には米国の最大手企業49社(アップル、マクドナルド、ナイキ、20世紀フォックスなどを含む)に対して、障がい者の雇用状況を報告するよう求めた。障がい者雇用を拡大すれば企業が享受するメリットも大きくなることを示す証左もある。2018年に非営利団体の「Disability:IN」と米国障害者協会(AAPD)が発表した報告書は、インクルージョンのベストプラクティスを実践している企業が、多くの財務指標で競合他社をしのいでると明らかにした。

投資家グループは共同声明で、企業に次のような方針を採用するよう求めている。 

  •  障がい者の雇用目標を定め、その達成状況を追跡調査する
  •  経営幹部が、障がい者の従業員グループの創設とネットワークの拡充を公に支持する
  •  ダイバーシティおよびインクルージョンに関する自社の声明で障がい者についても言及する

また声明では、Disability:INとAAPDが公表している指標「Disability Equality Index(DEI)」に参加するよう企業に呼び掛けている。DEIを活用することで、企業は障がい者に関する方針やインクルージョンの実施状況を自ら報告・評価できるほか、インクルージョン実践企業としての評判を高める方法を見出すこともできる。
 これと時期を同じくして、シカゴ市のカート・サマーズ(Kurt Summers)財務官は、ESGインテグレーションという「極めて有効な価値提案」を活用するよう他の都市にも呼び掛けた。マガザイナー氏とリード氏は5月28日にRIが開催するウェビナーに参加し、ESGの重要テーマをめぐる米地方政府の財務担当者の対応について議論する。


 

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【参照】

Responsible Investor,  Paul Verney US institutional investors push companies to hire people with disabilities」2019年5月23日(2019年6月7日情報取得)

 

 


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