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 ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブであるCHRB(Corporate Human Rights Benchmark)が、2018年11月12日(月)、2018年版ベンチマークを公表した。

 CHRBは、「A.ガバナンスと方針へのコミットメント」、「B.人権尊重の内在化と人権デュー・デリジェンス」、「C.救済と苦情処理メカニズム」、「D.企業の人権活動」、「E.深刻な申し立てへの対応」、「F.透明性」の6つのテーマからなる評価指標で企業のヒューマンライツ課題への取り組みを評価し、テーマに応じてウェイト付けした最終スコア(0~100%)とランキングを開示している。

 2018年版ベンチマークは、農業、アパレル、資源採取産業3業種、合計101社を対象に、2018年1月に更新した新たなメソドロジーにもとづき評価された。CHRBが公表したレポート(Key Findings)によると、70%以上のスコアを取得した企業は、アディダス(業種:アパレル)、リオ・ティント(業種:資源採取産業)、BHPビリトン(業種:資源採取産業)の3社であった。一方、全体の約4分の1にあたる27社のスコアは10%以下であり、約3分の2にあたる65社のスコアは30%以下という結果であった。 

 CHRBを推進するステアリング・コミッティの一員である、EIRIS Foundation CEOののピーター・ウェブスター氏はQUICKの取材に対し、「多くの企業がUNGP(国連ビジネスと人権の指導原則)に則った情報を公開していない。これは機会の損失であると同時に、ビジネスにおける人権への取り組みを推進するうえで極めて深刻なことである」と述べた。

 CHRBのデータベースは透明性が高い。すべての評価指標にコメントを付け、エクセルでのデータダウンロードも可能である。ピーター氏は、「データベースを参照し、他社の取り組み事例を学ぶことができる。また、自社の取り組み内容を他社と比較することもできる。評価対象となっていない日本企業も、CHRBのデータベースを活用できる」とコメントした。


【参照】
CHRB「2018 Key Findings Report」 2018年11月12日(2018年11月14日情報取得)

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QUICK ESG研究所 後藤弘子、小松奈緒美