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 2018年3月7日、Vigeoeirisはグローバル上場企業約4,000社を対象に、取締役に占める女性比率や女性の地位などを調査したレポート「企業の上級管理職におけるダイバーシティ:割れないガラスの天井(Gender diversity in corporate senior management: glass ceiling yet to be cracked)」を公開した。

 ジェンダー・ダイバーシティの推進は、国連女子差別撤廃条約やILO(国際労働機関)が掲げる雇用及び職業における差別待遇に関する条約、OECD多国籍企業行動指針などの国際規範や方針、持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の目標5「ジェンダーの平等を実現しよう」に組み込まれている課題である。

 本レポートでは世界60か国41業種、約4,000社の上場企業を対象に、国および業種別の女性取締役比率と各国法規制の調査結果を公表している。

 主な調査結果は以下のとおりである。

  • 調査対象企業における女性取締役比率は平均20%を下回った。欧州が最も高く、2016年度は平均24%と2012年度の17%を上回った。一方、アジア・パシフィック地域と新興国地域は低く、2016年度の平均はそれぞれ10%と9%だった
  • 同じ地域でも女性取締役比率は大きく異なった。欧州圏内のノルウェーは41%、フランスは39%と平均を上回っているが、ドイツは18%、ポーランドは10%と平均を下回った。2011年、マレーシアは従業員250名以上の企業を対象に、2016年までに女性取締役比率を30%に引き上げる目標を掲げた。実際、2016年度のマレーシアの女性取締役比率は23%と60か国中8番目に高かった。同じアジア地域でも、日本は4%と極めて低い結果であった
  • 女性取締役比率の国別の違いには、規制がある程度、影響していると考えられる。ノルウェーは、2003年に国営企業や複数州で活動する企業を対象に「取締役は男女ともに4割以上」とするクオータ制を導入し、2006年に新規上場企業、2008年にはすべての上場企業に本制度を義務付けた。フランスも2010年にノルウェー同様のクオータ制を導入している。一方、デンマークとフィンランドは、女性取締役比率に関する義務はなく、「Comply or explain(遵守せよ、さもなくば説明せよ)」ルールがあるのみだ。しかし、女性取締役比率はそれぞれ22%、29%と高く、クオータ制の導入のみが改善策とはいえない
  • 業種別では、ラグジュアリーグッズや化粧品の女性取締役比率が平均28%と最も高く、出版(27%)、放送(26%)と続いた


 調査結果の詳細はこちらをご覧ください。
 

  【関連資料】
Vigeoeiris「Gender diversity in corporate senior management: glass ceiling yet to be cracked」2018年3月7日(2018年4月16日情報取得)
Vigeoeiris Press release 2018年3月7日(2018年4月16日情報取得)


QUICK ESG研究所 小松 奈緒美