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 温室効果ガス排出量の削減に取り組む国際環境NGOのクライメイト・グループ(The Climate Group)*は、2017年9月18日から24日にニューヨークで開催された気候変動週間(Climate Week NYC 2017)で、「EV100」の発足を公表した。「EV100」とは、企業による電気自動車の使用や環境整備促進を目指す国際ビジネスイニシアチブである。

 クライメイト・グループによると、輸送ビジネスの温室効果ガス排出量は、エネルギー利用に関する全排出量の23%を占める。企業が輸送手段の電化に取り組むことは、輸送による大気汚染や騒音公害を抑えることにもつながる。さらに、企業の需要喚起は電気自動車の急速な普及を促す。「EV100」の署名企業は、2030年を目標に、以下の項目のうち少なくとも1つを、公式にコミットすることが求められる。

  • 企業が直接所有またはリース保有する車両の電化
  • サービス契約に電気自動車の使用に関する規約を設ける
  • 関連するすべての施設内に電気自動車用充電設備を設け、従業員の電気自動車利用を推奨する
  • 関連するすべての施設内に電気自動車用充電設備を設け、顧客の電気自動車採用を推奨する

 なお、日本では日本気候リーダーズ・パートナーシップ (Japan-CLP)がクライメイト・グループとパートナーシップを締結しており、日本企業の参加を推進している[1]

 以下は、「EV100」に署名したグローバル企業10社である。

  • バイドゥ(中国)
  • ドイツポストDHL(ドイツ)
  • メトロAG(ドイツ)
  • ヒースロー空港(英国)
  • ヒューレット・パッカード(米国)
  • パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(米国)
  • イケア(スウェーデン)
  • バッテンフォール(スウェーデン)
  • リースプラン(オランダ)
  • ユニリーバ(オランダ/英国)

 クライメイト・グループのヘレン・クラークソンCEOは、「電気自動車を新たな常識にしたい。しかし、現状、電気自動車には、急増する温室効果ガス排出量の抑制やインフラ整備を促進させることに見合うだけの十分な需要がない。『EV100』により、グローバルな大手企業の購買力や従業員および顧客への影響力を活用した電気自動車の普及によるコストの低下が期待される」と語った。

 イケアのピア・ヘイデンマーク・クック氏(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)は、「当社は、電気自動車への移行は実現可能であり、地球と地域環境に貢献すると考えるため、『EV100』発足メンバーとして署名した」と述べた。

 人工知能や電気自動車技術も開発しているバイドゥのワン・ルー副社長は、「『EV100』に署名した初の中国企業であることを喜ばしく感じる。世界の大手IT企業として、IT技術を活用した、より良い未来の創造および事業全体で持続可能性を追求することにコミットする。他の中国企業も当社に続いてくれることを期待している」と語った。
 

*クライメイト・グループは「EV100」の他、事業運営に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる「RE100」や、事業のエネルギー効率を倍増させること(省エネ効率を 50%改善等)を目標に掲げる「EP100」などの国際ビジネスイニシアチブを主導している。

【参考】
[1] 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan-CLP)「Japan-CLP、クライメイト・グループとのパートナーシップを締結
 2017年4月25日(2017年10月12日情報取得)

【関連】
The Climate Group「The Climate Group」(2017年10月12日情報取得)
The Climate Group「EV100」(2017年10月12日情報取得)
We Mean Business「MULTINATIONALS LAUNCH GLOBAL PROGRAM TO SPEED UP SWITCH TO ELECTRIC VEHICLES
2017年9月19日(2017年10月12日情報取得)


QUICK ESG研究所 鈴木敦史、小松奈緒美