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 英国財務報告評議会(FRC: Financial Reporting Council)は、スチュワードシップ・コード受け入れ機関のうち、スチュワードシップ活動報告書の評価が最下位ランクの約20のアセットマネージャーを、署名者リストから除外した。

 2016年11月、FRCはスチュワードシップ・コードの受け入れを表明している機関のスチュワードシップ活動に関する報告書の評価を開始した。署名機関のうち、アセットマネージャーは、Tier1、Tier2、Tier3の3つのランクに分けられ、アセットオーナーとサービスプロバイダーはTier1とTier2の2つのランクで評価された。

 アセットマネージャーの各ランクの評価基準は以下のとおりである。

 Tier1:質が高く、透明性に優れたスチュワードシップ活動の取組みを実践している。あるいは、コードを遵守していない場合には理由を説明している

 Tier2:スチュワードシップに関する取組みの実践は多くの点で期待される水準に達しているが、透明性が不十分である、またはコードを遵守していない場合の説明がなされていない

 Tier3: スチュワードシップに関する取組みについて、説明の透明性を向上するには著しい改善が必要である。取組み内容を改善するためのプロセスが示されず、具体性に欠け、コードを遵守していない場合の説明がない、または不十分である

(※現在の署名機関の評価ランクはこちら

 2016年11月のFRCによる評価公表時、Tier1にランクされたアセットマネージャーは80機関、Tier3は40機関であった。最低ランクであるTier3として評価された40のアセットマネージャーには、取組み内容を改善する猶予期間として6ヶ月が与えられた。この期間内に半数にあたる約20機関では改善がみられ、評価がTire1またはTire2へ向上した。一方、改善が見られなかった残りの約20のアセットマネージャーを署名者リストから除名するとともに、Tire3を廃止した。

 FRCのステファン・ハドリルCEOは、以下の通り述べている。
「機関投資家と企業の建設的な対話は、長期的な経済成長のために重要である。投資家は、企業が長期的な戦略について熟考を重ねるうえで大切な役割を担っている。スチュワードシップ・コードを受け入れるということは、選択式の質問に答えることではなく、自社のスチュワードシップ活動を明確に説明し、コードを遵守しない場合には説明することが求められる。FRCは、署名機関の継続的な取組み内容の改善を期待している。また、多くの署名機関が、改善が見られないアセットマネージャーを署名者リストから除名するという、FRCによる今回の処置を受け入るとともに、(今回の取組みを通じて)スチュワードシップ活動の報告書の質と透明性確保に改めてコミットしたことを喜ばしく感じている」

 FRCは今後も継続的に署名機関の報告書の評価を予定している。

【関連資料】
FRC removes Tier 3 categorisation for Stewardship Code signatories  (FRC, 3 Aug 2017)
Tiering of signatories to the Stewardship Code(FRC, 14 Nov 2016)


QUICK ESG研究所 鈴木敦史、小松奈緒美