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RE100」は、事業運営に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業によるグローバルイニシアチブである。2017年7月10日、アクゾノーベル、アクサ、バーバリー、カールスバーグが新たに加わったことで、RE100の参加企業数は100社に達した。このイニシアチブは、国際環境NGOの「The Climate Group」とCDPの協働により、2014年に立ち上げられた。

The Climate GroupとCDPは、低炭素経済への移行を推進する585の企業と183の投資家(2017年7月10日現在)によるグローバル企業の連合である「We Mean Business」の一員である。

RE100の参加企業は、再生可能エネルギーへの移行に関する戦略や消費電力の内訳および目標を開示することが期待される。Fortune 500の中の30社を含め、参加企業は今や欧米、インド、中国などグローバルに拡大しており、事業内容はIT、自動車製造、小売、食品など多岐にわたる。これらの企業の売上を合計すると2.5兆米ドル(約275兆円)におよび、現在、参加企業全体で年間146テラワット時(TWh)の再生可能エネルギー電力を使用している。これはポーランド1国の電力総需要量に相当する。

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出所:The Climate Group、CDP資料をESG研究所が仮訳

新たにRE100に参加したオランダの化学会社アクゾノーベルの電力消費量は年間約16 TWhで、同社はカーボンニュートラル、および再生可能エネルギー100%での事業運営を2050年までに実現すると公約した。フランスの保険会社アクサは、2025年までに使用電力の100%再生可能エネルギー化を実現すると公約したが、エネルギー事情の異なる60カ国以上で事業を展開しているため、様々な取組みを組み合わせて目標達成を目指すとしている。また、世界的な高級ファッショブランド、バーバリーは2022年までに100%再生可能エネルギー化を達成すると公約した。世界最大のビール醸造会社の1つであるカールスバーグもまた、2022年までに100%再生可能エネルギー化を実現すると公約し、これを2030年目標のカーボンニュートラル達成に向けた段階の1つとして位置づけた。

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出所:The Climate Group、CDP

RE100に参加する企業が拡大している動きを受け、The Climate Groupのヘレン・クラークソンCEOは、次のように述べた。「我々はRE100の成功に大変満足している。 企業に対する働きかけが功を奏し、当初の期待より3年も早く参加企業100社を達成した。 再生可能エネルギーのコスト低下など、市場の変化も我々に味方した。グーグル、イケア、ダルミア・セメントなどの大手多国籍企業が、排出ガスの削減、エネルギーコストの安定化および競争力の強化と同様に、経営上、合理的であるという理由から、再生可能エネルギーの利用についてリーダーシップを発揮する事例が増えている。現在、我々は参加企業に対し、さらに一歩前に進むための活動を呼びかけている。すなわちサプライヤーや同業社に対して、化石燃料から再生可能エネルギーへ移行するように促すことで、2℃目標(あるいはそれ以下)を達成しようとしている」

また、CDPのポール・シンプソンCEOは、「RE100を通じて100%再生可能エネルギーでの事業運営を目指すことは、持続可能な経済において真のリーダーシップを示すことである。 多くの参加企業が進捗状況を明確に報告していることは大変喜ばしい。気候変動活動に関する情報開示と見識を深めることに加え、2020年までに地球規模のエネルギーシステムを大きく転換させることが重要だ」と述べた。

2017年7月10日現在、RE100に参加している日本企業はリコーのみだ。リコーは、2030年までに電力の少なくとも30%を再生可能エネルギーに切替え、2050年までに100%を目指すとを発表している。

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QUICK ESG研究所 鈴木敦史、小松奈緒美