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 6月2日、AP2基金は米国のThe Rise Fundに5千万ドル投資したと公表した。

 米国の投資ファンドであるTPG Growth(以下、TPG)を親会社としてもつThe Rise Fundは、社会に肯定的なインパクトを与える企業に着目すると同時に、投資リターンの追及をコミットしている。同社は、「民間企業は収益を妥協することなく、世界的な社会課題解決のために重要な役割を果たすべきである」という考えの下、投資戦略を実行している。 

 国連のSDGs(持続可能な開発目標)では、17の目標と169のターゲットが提示されている。The Rise FundはSDGsが定義しているターゲットに着目し、投資活動がどの程度潜在的に、社会にインパクトを与えるのか独自に評価している。インパクトの評価手法は、The Rise Fundと国際NGOであるBridgespan Groupにより共同開発されたものである。投資家はThe Rise Fundに投資することで、SDGsの目標達成に貢献できる。

 AP2基金のCEOであるEva Halvarsson氏は、「インパクト投資の概念自体は新しくないが、投資のリターンがあるか独自に評価している点でThe Rise Fundは真新しくユニークである。今回の投資を通じて、倫理性や環境への配慮と投資リターンの最大化を両立できることに満足している。持続可能な成長に向けた取組みと投資活動により、SDGsの目標達成に積極的に貢献していきたい。」と述べた。

 AP2基金は、TPGが持つグローバルなコネクションとともに、独自の手法でインパクトを評価していることが、The Rise Fundに投資する決め手となった、と述べている。

【AP2基金について】

 スウェーデンの公的年金基金であるAllmänna Pensionfonden(AP基金)の1つ。
 スウェーデンの公的年金保険制度は賦課方式に基づく年金制度と、加入者自ら運用先を選択する積立方式の年金制度に分かれ、6つのファンド(AP1, 2, 3, 4, 6, 7)が運用を担っている。
 AP2基金は他の3基金(AP1, 3, 4)と共に賦課方式の年金制度における新規流入積立金の運用を担うとともに、人口動態や経済的ショックによる給付の変動を吸収する役割をもつため、バッファーファンドとも呼ばれる。

【関連ページ】
AP2 press release
The Rise Fund
国連のSDGs(持続可能な開発目標)


QUICK ESG研究所 鈴木敦史、小松奈緒美