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 厚生労働省は、2017年6月2日に「平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を公表した。2016年に生まれた子供の数(出生数)が976,979人で、1899年の調査開始以降、初めて100万人を割り込んだ。
以下は、結果概要である。

・出生数:976,979人で過去最少(対前年28,698人減少)

・合計特殊出生率:1.44で低下(同0.01ポイント低下)

・死亡数:1,307,765人で戦後最多(同17,321人増加)

・自然増減数(出生数と死亡数の差):▲330,786人で過去最大の減少幅(同46,019人減少)

・婚姻件数:620,523で戦後最少(同14,633組減少)

・離婚件数:216,805組で減少(同9,410組減少)

1.出生数
 2016年の出生数は976,979人で、前年の1,005,677人より28,698人減少し、100万人を割った。年次推移でみると、1949年の2,696,638人をピークに1975年以降、減少傾向にある。第一次ベビーブームのピークである1949年と比べると、2016年はピーク時の36%の水準まで低下している。第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあり、1975年は25.7歳、1985年は26.7歳、1995年は27.5歳、2005年は29.1歳、2016年は30.7歳となっている。この40年間に5歳上昇した。

2.合計特殊出生率
 合計特殊出生率は、ここ数年1.4台を維持しているが、2016年は1.44と前年より低下した。都道府県別では、沖縄県(1.95)、島根県(1.75)、長崎県(1.71)、宮崎県(1.71)、鹿児島県(1.68)が高く、東京都(1.24)、北海道(1.29)、宮城県(1.34)、京都府(1.34)、千葉県(1.35)が低い。

3.死亡数
 2016年の死亡数は1,307,765人で、前年の1,290,444人より17,321人増加した。1980年代後半から死亡数が増加傾向にあり、2003年に100万人を超え、2016年に初めて130万人台となった。死因順位別にみると、第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が肺炎で、全死亡者の約3.5人に1人は悪性新生物で死亡している。

4.自然増減数
 2011年から連続して、自然増減数が▲20万人台となっていたが、2016年に▲30万人台となった。自然増減数の増加がみられたのは、47都道府県の中で沖縄県のみである。

5.婚姻件数
 平均初婚年齢は、夫31.1歳、妻29.4歳で、ともに前年と変わらなかった。婚姻件数のピークは1972年の1,099,984組で、2016年の620,523組はピーク時の56%の水準まで低下している。

6.離婚件数
 離婚件数は、2002年の289,836組をピークに減少傾向にある。1985年と比較すると、総数では1.3倍にとどまっているが、同居期間別に離婚件数をみると、20年以上は1.84倍、そのうち、30~35年未満は2.81倍、35年以上は5.38倍となっており、同居期間が長い程、離婚件数が著しく増えているのが目立つ。

 今回の結果の中で注目されるのは、出生数が100万人を割り込んだこと、そして、自然増減数が▲30万人を超えたことだろう。この1年間で奈良市、和歌山市、大津市と同規模の都市1つが消えたことになり、今後、自然増減数の減少幅が拡大することは確実である。
 少子高齢化および人口減少が急速に進む日本において、今回発表された「人口動態」は、今後の人口減少抑制に向け、雇用、出産、育児、幼児教育、年金、医療、介護等の喫緊の課題を、総合的に解決するべく行動しなければならないことを示唆している。

参考:「平成28年人口動態統計月報年計(概数)の結果」(2017.06.02 厚生労働省公表)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai16/index.html


QUICK ESG研究所 菅原 晴樹