改訂の画像

 2014年2月26日に策定された「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》」は、その後おおむね3年ごとを目処に見直しが予定されていた。

 2015年8月に設置された「スチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」で議論の末、2016年11月に「機関投資家による実効的なスチュワードシップ活動のあり方」と題する意見書がまとめられ、スチュワードシップ・コードの改訂が提言された。これを踏まえて「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」が2017年1月31日に開催され、3回の検討の結果、2017年3月22日に改訂(案)が取りまとめられ、パブリックコメントに付された。

 その結果、2017年5月29日に金融庁から「スチュワードシップ・コード(改訂版)」が公表された。改訂コードに織り込まれた主なポイントは 、以下の8つである。
①アセットオーナーによる実効的なチェック(最終受益者の利益の確保のため) 
②運用機関のガバナンス・利益相反管理の強化(第三者委員会の設置等)
③投資先企業の状況の的確な把握(ESG要素を含む非財務情報等)
④パッシブ運用における中長期的視点に立った対話および議決権行使
⑤集団的エンゲージメントへの言及
⑥議決権行使結果の公表の充実(個別の投資先企業および議案ごとの公表)
⑦議決権行使助言会社への更なる言及(十分な経営資源の投入、自社の取組みの公表)
⑧運用機関の経営陣の責務の重要性および自己評価とその結果の公表

 コード改訂の目的は、企業に投資しているアセットオーナーおよび運用機関がインベストメント・チェーンにおけるそれぞれの役割を認識し、企業の実情や外部環境を踏まえながら、その持続的成長に向けて、経営戦略およびESG(環境・社会・ガバナンス)を含む諸課題について、深度ある「建設的な対話」を実効的に行うことにある。
 なお、既に署名している機関は6ヶ月以内(2017年11月30日まで)に改訂内容に対応した公表項目の更新とその旨を公表することになる。

参考:スチュワードシップ・コード(改訂版)の確定について(金融庁ニュースリリース)http://www.fsa.go.jp/news/29/singi/20170529.html


QUICK ESG研究所 菅原 晴樹