【RI特約記事】GPIFのCIOとCalPERSのCEOが国連主導のGlobal Investors for Sustainable Development に参加 SDGs達成に向けた民間資本の動員を目指す

RI_logo

 本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 国連は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた民間資本の動員を目的とするアライアンスグループに、主要投資家および企業のCEO30人が参加したと発表した。メンバーにはアリアンツ、APG、アビバ、バンク・オブ・アメリカ、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)

【RI特約記事】国際金融公社(IFC)のニール・グレゴリー氏がインパクト投資の運用原則について語る 新原則は「信頼性と整合性のギャップを埋める」役割を担う

RI_logo

 本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 国際金融公社(IFC)のChief Thought Leadership Officerを務めるニール・グレゴリー(Neil Gregory)氏によると、市場は比較可能で整合性のあるインパクト・レポーティングを求めている。このテーマはインパクト投資推進イニチアチブGlobal

【RI特約記事】CalPERS、TCFD提言に沿った情報開示に意欲 加州法の改定受け年内にも

RIロゴ

本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)は、気候関連財務リスクの報告を義務付ける州法改定案(SB964)の施行を受け、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿って情報開示する意向だ。折しも米国の環境保護NGO5団体が6月24日に

「RIヨーロッパ 2019」参加報告:EUアクションプランやESG投資手法の最新動向

RI_London

 ESG投資情報を発信するレスポンシブル・インベスターズ(RI: Responsible Investor)は6月11日と12日の2日間にわたり、ロンドン中心部で第12回目となる「RIヨーロッパ2019」を開催した。ESG投資に積極的な運用会社やインデックスプロバイダー、ESG評価機関、金融情報ベンダー、規制当局、NGOなど900人のESG関係者が一堂に会した。

 同イベントは

【RI特約記事】相次ぐ「尾鉱ダム」決壊 鉱業界全体の構造的な問題が浮き彫りに

RIロゴ

 本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳したものです。

 2019年1月、ブラジル南東部のブルマジーニョ市近郊にあるコヘーゴ・ド・フェイジョン鉱区で、同国の資源採掘大手ヴァーレが所有する尾鉱ダムが決壊した。この事故で少なくとも165人が死亡、150人以上の生存が絶望視されている。当時、ダムの社員食堂で食事をしていた従業員やその家族たちは

【RI特約記事】日本の機関投資家が、CalPERSおよびCalSTRSと気候変動をめぐる協働エンゲージメントを開始

RIロゴ

本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

  日本の機関投資家が、米国のカリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)およびカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)の主導のもと、「Climate Action 100+イニシアチブ (以下、CA100+)」でエンゲージメント対象となっている国内の企業との対話を開始す

【RI特約記事】EUのハイレベルコンファレンス:会議はかつての「異端」が「ニューノーマル」となりつつある時代の切迫感を反映

本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

LOGO

 2019年3月21日、ブリュッセルの欧州委員会(以下、EC)本部でハイレベルコンファレンス「A global approach to sustainable finance」が開催された。会議では、多くの政治家、企業の経営幹部、中央銀行の代表、社会運動の活動家、投資家などがサステナブルファイナンスについて議論を交わした。2017年と2018年の過去2回の会議では将来予想される障害と目標が議論の焦点になっていたが、3回目となる今回の会議はこれまでとは違い、サステナブルファイナンスの本質に迫る切迫感があるものであった。

 ここ数年リストに挙がっていた目標は、完全ではないものもあるが、多くが達成されつつある。昨年5月にECが公表した、EUアクションプランの4項目をカバーする3つの規制案のうち2つは既に政治的合意に達している。残る1つも協議が最終段階に進んでいるほか、その他の多くの規制についても小幅な改訂が進行中である。グリーンタクソノミーの策定をめぐり、200人を超えるチームが急ピッチで作業を進めるなか、BNPパリバアセットマネジメントや欧州投資銀行といった大手機関投資家は、タクソノミーがまだ最終化されていないにもかかわらず、既にこれを投資および債券発行戦略に組み入れている。 

 こうした動きはEU内にとどまらない。会議では世界各国から様々な意見が出され、EU以外の規制当局や政策立案者がよりサステナブルな市場の形成に向けて自らが果たすべき役割について次々に前向きなコメントを発した。 

 証券監督者国際機構(IOSCO)の議長で香港証券先物委員会のCEOを務めるアシュレイ・イアン・アルダー氏は、気候変動の問題はもはや「企業の社会的責任(CSR)の議論の一部にとどまらず、重要な長期的金融リスクであり、我々が正面から向き合うべきテーマである」と結論づけた。IOSCOは2019年1月にサステナブル金融に関するネットワークを立ち上げた際、アルダー氏は「論争や議論は大歓迎だが、実行に移すのが遅れることは望まない。気候変動は待ったなしの問題であるからだ」と述べた。

 気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System)の議長でオランダ中央銀行(DNB)のエグゼクティブ・ディレクターでもあるフランク・エルダーソン氏は、中央銀行は自ら率先して行動すべきだと指摘した。具体的には、「世界中の中央銀行と監督当局は、法が自分たちに何をしてくれるのか問うのではなく、法がなくても自分たちに何ができるのかを問うべきである。答えはいくらでもある。金融機関の活動を規制、監督するミクロ・プルーデンス政策に気候関連金融リスクの管理を組み入れることができる。その手段としてはストレステストやシナリオ分析が考えられる。また、準備預金の管理に気候変動の考え方やリスク管理を組み入れることもできる。自らが手本となってリードすべきなのである」と述べた。 

 イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は、金融安定理事会の議長在任中に自らが立ち上げた「気候変動関連の財務情報開示に関するタスクフォース(TCFD)」の進捗状況を顧み、TCFDは「投資家が意思決定する際に最も有用な情報開示の仕方とシナリオ分析のベストプラクティスについて分析している。今年6月に開催されるG20サミットの場でその結果を提示する」と述べた。

 日本の金融庁のチーフ・サステナブル・ファイナンス・オフィサーに就任した池田賢志氏は、5月に政府とTCFDコンソーシアムを協同開催し、気候変動をめぐる「機関投資家と企業の建設的なダイアログ」を国内で推進すると明言した。

 フランスのブリュヌ・ポワルソン国務大臣は、「エネルギー転換法173条で気候変動関連情報の開示が定められて3年が経った。今、我々が早急にやらなければならないのはESG関連情報の開示方法の標準化である」とし、開示方法が最も優れていると認められた投資家に再度懸賞金を付与する旨を発表した。

 ドイツ政府は、グリーンボンドまたはサステナブルボンドを発行することが財政的に意味があるかどうか検証する方針を明示した。これは、グリーンボンドが世界の金融市場で無視できない資産クラスになることを想定した動きといえる。また、フィンランドのPetteri Orpo財務大臣は、世界の財務当局によるサステナブルファイナンスのベストプラクティス策定に焦点を当てた新プロジェクトへの参加を呼びかけた。現時点では約15ヵ国が参加しており、既に第1回の代表者会合も開かれている。同氏は、プロジェクトの共同議長であるチリのFelipe Larrain Bascuñán財務大臣の言葉を代弁し、「各国の財務大臣が取り組まなければ、気候変動に歯止めはかけられない。もちろんお茶を飲みながら外交交渉を行うことも有意義だろう。だが、財務大臣は税金と予算という最強のツールを手にしている。そこで、我々は何か行動を起こすことを決断した」と述べた。

 アセットオーナーサイドでは野心的ながらも具体的なソリューションが策定されつつある。世界最大の年金基金GPIFの最高投資責任者である水野氏は、「ユニバーサルオーナーにとってリスク回避だけではなく、持続的に投資することのできる資本市場の形成に寄与する必要がある」と述べた。その一環として、アセットマネジャーの意識改革に取り組む必要があり、「我々の業界が直面する最大の課題はマインドセットである。規制による後押しでもない限り、アセットマネジャーは自らの行動を変えられないという話をたびたび耳にする。資産運用は、最も高い報酬を得られる業界の1つである。ここ数十年にわたり優秀な学生を採用してきたにもかかわらず、規制対象にならなければ自らのビジネス慣行を変えられないというのでは、情けない」と指摘し、会場から大きな拍手を受けた。水野氏は、アセットオーナーはアセットマネジャーに提示する契約内容を改定する責任を負うとし、「例えば、我々が他社にも追随するよう呼びかけていることの1つは、アセットマネジャーとの契約を現行の年次更新から5年またはそれ以上の期間ごとの更新に変えることである。それにより、アセットマネジャーが短期的なリターンを追求するインセンティブはなくなるだろう」と述べた。

 欧州最大のアセットマネジャー、アムンディでインスティテューショナル・クライアント部門の共同責任者を務めるJean Jacques Barberis氏は、アセットオーナーとアセットマネジャーはいわば「ニワトリとタマゴ」の関係にあり、サステナビリティに関しては互いに相手からの指示待ち状態にあることを認めた。一方、「アセットマネジャーはリサーチを通じて、ESG投資がリターン向上に寄与していることを継続的にアピールするとともに、サステナビリティに整合する商品を幅広い資産でより多く提供する責任がある」とも述べた。

 今回のカンファレンスで行われた多くの議論は、ようやく「仮定の話」から「実践的かつ具体的なソリューション」へと移行したといえよう。ECのサステナブルファイナンスに関する技術専門家グループ(TEG)を統括するPRIのネイサン・ファビアン氏は、「当局が環境および社会的要素を主要金融規制に明確に組み入れれば大きな一歩になる。ほんの数年前なら、こうした考えは異端と思われていただろう」と述べた。


RIロゴ

【参照】
Responsible Investor, Sophie Robinson-Tillett「EU High-Level Conference: Concrete achievements and a new credibility as finance chiefs step up 」2019年3月22日(2019年4月5日情報取得)
Bank of England, Mark Carney, Governor Bank of England「A New Horizon」2019年3月21日(2019年4月5日情報取得)

【関連記事】
QUICK ESG研究所「【RI特約記事】EUサステナブル金融アクションプランの進捗状況」2019年3月14日


【RI特約記事】企業による畜産動物福祉に関する取り組みを加速させるために投資家ができること

RIロゴ

本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 2019年2月、企業および投資家向けに畜産動物の福祉に関するベンチマークを提供するBBFAWが、第7回目となる2018年度アニュアルレポートを公表した。

 2012年に初回のレポートを公表して以降、企業による畜産動物の福祉に関する業務慣行や報告内容は飛躍的に向上している

【RI特約記事】S&Pが事業債格付けレポートに「ESG」評価セクションを追加

RIロゴ

本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。
 

 2019年2月、大手格付け機関のS&Pグローバル・レーティングが、同社の信用格付けレポートに「ESG」評価セクションを追加すると発表した。

 従来、信用格付け機関は長期的なリスクエクスポージャーに対処せず、短期志向への傾倒を強めているとして非難されてきた。格付け機関が3

【RI特約記事】EUサステナブル金融アクションプランの進捗状況

RIロゴ

本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。

 欧州委員会が2018年3月に「持続可能な成長に向けた、金融のEUアクションプラン(以下、EUアクションプラン)」と題した行動計画を公表してから1年が経過した。EUアクションプランは、2018年1月に公表された「サステナブル金融に関するハイレベル専門家グループ(以下、HLEG)