老夫婦のイメージ

 2017年7月27日、厚生労働省は「平成28年簡易生命表」の概況を取りまとめ、公表した。

 平均寿命は、男性80.98年、女性87.14年となり、男女とも過去最高を更新した。男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生存する、まさに「人生90年」の時代に向かっている。健康寿命(2013年)は、男性71.19年、女性74.21年で平均寿命との差は、男性約9年、女性約12年である。その間の医療・介護費用の負担は相対的に大きい。

 また、65歳の平均余命は男性約20年、女性約24年である。年金受給期間も長くなっており、マクロ経済スライドの適用などにより、年金受給者が老後の生活費を公的年金だけで賄うことは今後一層厳しくなることが予想される。

 2016年度の日本の国民負担率43.9%(租税負担率26.1%+社会保障負担率17.8%)は、フランス、スウェーデン、ドイツおよびイギリスのそれを下回るものの、国民の負担感は高い。政府は、持続可能な社会保障制度(医療・介護・年金制度)の再構築を早急に進めるとともに国民に対する社会保障制度および金融に関する教育に積極的に取り組むべきである。そして国民も、社会保障制度に関心を持つとともに、生活習慣の改善を心がけること、そして、老後資金を確保するための資産形成を早い段階から始めることが肝要である。

簡易生命表とは

 「平成28年簡易生命表」は、日本在住の日本人について、2016年における死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したものである。

平成28年簡易生命表の概況

(1)主な年齢の平均余命
 0歳の平均余命を「平均寿命」という。
①男性の平均寿命:80.98年となり、過去最高(2015年:80.75年)を更新した。
②女性の平均寿命:87.14年となり、過去最高(2015年:86.99年)を更新した。
③平均寿命の男女差:6.16年 前年比0.08年減少、2005年の6.96年から年々縮小傾向にある。
④男性の65歳平均余命:19.55年
⑤女性の65歳平均余命:24.38年
⑥過去30年間で、男女とも平均寿命が5年以上延びた。

(2)寿命中位数等生命表上の生存状況
①65歳まで生存する者の割合:男性89.1% 女性94.3%
②75歳まで生存する者の割合:男性75.1% 女性87.8%
③90歳まで生存する者の割合:男性25.6% 女性49.9%
 男性の4人に1人、女性の2人に1人は90歳まで生存することが分かる。

(3)平均寿命の国際比較
①平均寿命を国別にみると、厚生労働省が調査した中では、日本は、男女とも世界のトップクラスである。
②男女ともに平均寿命が80年を超えている国を、人口の多い順にみると、イタリア、オーストラリア、スウェーデン、スイスおよびイスラエルである。

(4)死因分析
①死因別死亡確率
 生命表上で、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表したものが死因別死亡確率である。平成28年の死因別死亡確率をみると、0歳では男女とも悪性新生物が最も高く、次いで、心疾患、肺炎および脳血管疾患の順であった。
②特定死因を除去した場合の平均余命の延び
 「悪性新生物、心疾患及び脳血管疾患」を除去した場合の平均寿命の延びは、0歳では男6.95 年、 女5.74 年、65歳では男5.61 年、女4.60 年、75歳では男4.18 年、女3.78 年、90歳では 男1.76 年、女1.95 年であった。

【参考】
厚生労働省「平成28年簡易生命表の概況(プレスリリース)」2017年7月27日(2017年10月20日情報取得)
厚生労働省「平成28年簡易生命表の概況」2017年7月27日(2017年10月20日情報取得)


QUICK ESG研究所 菅原 晴樹