日本橋の画像

 社会人としての一歩を踏み出した日本橋室町、それから早や40年。オフィス街と商業地域が一体となって独特な雰囲気を醸し出しながら、大きく変貌を遂げた街。三越本店、三井本館、日本橋三井タワー、YUITO、コレド室町が建ち並び、福徳神社に隣接する福徳の森も誕生した。かつてユニチカ、北海道銀行東京支店があったビルも解体され再開発ビルの計画が進められている。そして日本橋室町三丁目再開発プロジェクトが完成する2年後の2019年には室町は一層進化した街に生まれ変わるだろう。
 変わりゆく室町を眺めながら晴読雨読する室町人がお薦めする書籍を紹介していきたい。

 第1回目は、永野健二著の「日本迷走の原点-バブル1980-1989-」(新潮社)。
 2016年11月刊行の本書は発売当初から話題になっており、すでにお読みになった方も多いのではないだろうか。
 アベノミクスが成果を上げていると一部では言われているが、「失われた20年」からいまだ脱却できたとは言えない。スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コード、そして、顧客本位の業務運営に関する原則と企業価値の向上、株式市場の活性化、ひいては我が国経済の成長へ向けて、さまざまな施策が打たれているが株式市場は2万円を超えられない状況が長い間続いていた。
 他方、東京、名古屋、大阪を中心に不動産価格が局地的に不気味なほどの上昇を示している。
 世界的にも金融緩和が続く中、マーケットをさまよう資金は巨額である。どこに向かっていくかはわからないが、為替・株式等のマーケットが大きく動く可能性は高い。

 バブル-1980年代後半に起きた日本経済、金融の転換点-を経験した人の多くが現役を去っている。誤ったバブル待望論が聞かれる中、「失われた20年」脱却の担い手である「デフレ世代」に「バブルとは何だったのか」を本書から学び取っていただきたい。

◆「日本迷走の原点-バブル1980-1989-」(永野健二 著/新潮社 1,700円)


菅原 晴樹, シニアコンサルタント QUICK ESG研究所