2017年8月11日、米国マサチューセッツ州は、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比の25%まで削減するための一連の法令を公布した[1]。米国北東部に位置するマサチューセッツ州は、全米人口の21%に相当する680万人が暮らしているが[2]、面積は全米50州のうち第44位で、九州のおよそ1.4倍の27,363平方キロメートルの小さな州である。

 同州の温室効果ガス排出量は全米排出量の1.18%で、排出量最大のテキサス州の10%にも満たない[3]。温室効果ガスの排出量も少なく、太陽光発電に対する税制優遇が設けられていることもあり、同州の太陽光発電量は全米第7位で、面積も人口もはるかに大きいニューヨーク州の発電量の1.5倍を誇る[4]

図1 太陽光発電量の多い州(米国)のランキング

太陽光発電量の多い州(米国)のランキングの画像
出所:Solar Energy Industries Association(SEIA)公開資料

 2014年、公益団体Conservation Law Foundation(CLF)はマサチューセッツ州を相手取り、同州が2008年に成立した地球温暖化解決法(Global Warming Solutions Act)の履行を怠ったとして訴訟を起こし、2016年5月に勝訴した[5]。今回の法令はマサチューセッツ州による是正策の一環として公布され、個人レベルでの温室効果ガス排出量の削減ではなく、発電所や天然ガス供給所、政府機関等の公共機関レベルでの温室効果ガス排出量の削減を義務づけている。

 CLFのブラッド・キャンベル会長は以下のコメントを寄せた。
「今回の法令は、低炭素社会に向けた取組みにおけるマサチューセッツ州の役割を再構築するものである。今後の更なる活動とともに、隣接する州とパリ協定に則った取組みを実践するために、ベイカー氏(マサチューセッツ州知事)のリーダーシップが期待される」[6]

【参考】
[1] Mass.gov「Reducing GHG Emissions Under Section 3(d) of the Global Warming Solutions Act」(2017年10月6日情報取得)
[2] アメリカ合衆国国勢調査局「QuickFacts selected: Massachusetts」(2017年10月6日情報取得)
[3] 米国エネルギー情報局「Rankings: Total Carbon Dioxide Emissions, 2014」(2017年10月6日情報取得)
[4] Solar Energy Industries Association(SEIA)「Top 10 solar states」(2017年10月6日情報取得)
[5] Conservation Law Foudation(CLF)「In Landmark Decision, Massachusetts’ Highest Court Upholds Climate Law Mandate」2016年5月17(2017年10月6日情報取得)
[6] Mass.gov「Baker-Polito Administration Issues Regulations to Reduce Greenhouse Gas Emissions and Reach Global Warming Solutions Act Goals」(2017年10月6日情報取得)


Mari Kawawa QUICK ESG研究所