カリフォルニア州は環境問題に対し大変先進的なことで有名だが、同州シリコンバレーの大手IT企業もまた再生可能エネルギー100%のデータセンターを運営するなど、対応が進んでいる。

こういった施設の見学を希望する日本企業は後を絶たない。また、多くの起業家を輩出するシリコンバレーの革新の秘訣が知りたいという日本人も多く、シリコンバレー在住の日本人ITコンサルタント、ビジネスコンサルタントを頼りに視察に訪れる。筆者もコンサルタントをする友人に頼まれて、時々お手伝いをしたり、シリコンバレー事情について話をしたりすることがあるが、実は「困ったなあ」と思うことがある。

まず、ほぼ例外なくフェイスブック、アップル、ネットフリックス、グーグルやセールスフォースに行ってみたいとリクエストされることだ。しかも、来訪の理由は皆無である。これではまるで、観光名所めぐりだ。これらの企業は世界中から訪れる物見遊山の観光客に対処するための厳しい規制があるのだが、それでもなんとか従業員に頼み込み、カフェテリアだけでも見せてもらえないかと言う。見たところで何のご利益があるのかわからない。

間違ってビジネスのアポなんてとってしまっては、恥ずかしい思いをする。アポ先企業との事業提携等のアイデアがあるのかと思いきや、名刺交換のつもりで来るので、ミーティングを申し込まれた方も戸惑う。筆者自身もフィンテック企業を経営しているため、日本の金融機関からミーティングの申し込みを受けるが、社会科見学のノリでいらしていただくのでいつも驚いてしまう。「時間は金なり」は日本のサラリーマンには意味不明のようだ。ミーティング後のフォローアップがほとんどないのも残念だ。せっかく時間を割いてもなんのビジネスチャンスもなければ、日本からのミーティング依頼に応じてもらえなくなるではないか。また、日本企業はノウハウを聞き出し、日本に持ち帰って自社内でコピーする傾向が強いので困るという話も聞いたことがある。

文句ついでに言ってしまうと、礼儀作法にも改善の余地がある。握手がなかなかしっかりできない。受け入れる側はなぜミーティングを依頼されたのか事前に知らせてもらえなければ、当然ミーティングの冒頭で尋ねるが、意図がわからないことが多い。相手の目をしっかり見るアイ・コンタクトがない。花粉症なのは仕方ないが、ミーティングの最中にずりずり鼻をすする。ちょっと失礼して洗面所で鼻をかんでくれば良いではないか。ミーティングの前に歯磨きをせず、昼食の残りを歯に挟んだまま話す。スリッパ感覚で足を引きずって歩く。会食の際に、食べ物をすすったり、口をあけて咀嚼したりする。

企業の重役クラスになると、さすがに礼儀作法は洗練されてくるが、従業員が海外で恥をかくのは、企業にとってもマイナスではないか。海外出張前研修をするか、半日でも構わないので、シリコンバレーでビジネスマナーの一夜漬けコースを受けると良いかもしれない。

女性が男性に指摘する画像


Mari Kawawa QUICK ESG研究所