独ESG評価会社アラベスクS-Rayによる2021年12月31日時点の日本企業のESGスコアをランキングしたところ、首位はユニ・チャーム(8113、以下、銘柄略称のユニチャームと表記)の72.38点だった。四半期ベースでは21年9月末時点からの首位を守った。4位のナブテスコ(6268)は70点台に上昇し、1年前の24位から大幅に順位を上げた。
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上位10社は1年前と7社が入れ替わる

 2021年12月31日時点の2位はオムロン(6645)、3位はポーラ・オルビスホールディングス(ポーラオルHD、4927)で、上位3社は21年9月末と同じ順位だった。1年前の20年12月31日時点と比べると、上位10社のうち、7社が入れ替わった。1年前にもトップ10だったのは、オムロン、ポーラオルHDのほか、8位の塩野義製薬(4507)の3社で、ユニチャームは1年前の14位から首位に浮上した。

 2021年12月31日時点の海外企業も含めた世界ランキングでは、ユニチャームの9位が最高で、トップ10入りは1社にとどまった。日本企業568社の分布状況を10点刻みで見ると、50点以上60点未満が251社と最も多く、平均は52.27点だった。

 アラベスクS-Rayは企業の公開情報と世界の情報元からESG評価に必要なデータを収集し、独自の手法でESGスコアを毎日更新している。ESGスコアは100点満点で、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)の3つのサブスコアから構成され、ESG課題の株価へのインパクトを考慮して、業種ごとに評価項目のウエートを変えているのが特徴だ。

ナブテスコが2020年末の24位から躍進、株価は大幅に下落

 ナブテスコの2021年12月31日のESGスコアは70.15点(日本企業4位)と、20年12月31日の66.10点(同24位)から上昇した。サブスコアを1年前と比べると、社会こそ70.02点から69.95点に小幅に低下したものの、環境が68.67点から71.45点に、企業統治は61.25点から69.41点に大幅に上昇し、全体のスコアを押し上げた。

 ナブテスコのホームページにある「ナブテスコグループのCSRの考え方」によると、中期経営計画のコミットメントの一つとして「ESG課題の解決」への取り組みを掲げ、2020年度にはCO2の排出量の削減目標を達成するとともに、CSR調達方針の改定や社外取締役比率の向上などを実現したという。こうした様々な取り組みが評価されているとみられる。

 一方、ナブテスコの株価は2021年の最終営業日だった12月30日終値が3405円と1年前に比べ24.7%下落した。また、1年前も今回もトップ10に入ったESG高評価銘柄のうち、ポーラオルHDの株価は1年前に比べ8.5%下げた。この間、日経平均株価は4.9%上昇している。

 アラベスクS-RayはESG評価会社の1つに過ぎず、ESGスコアの高得点が必ずしも株高につながるとは限らない。株価は材料になるニュースや企業の収益力、投資指標の評価など様々な要因が影響するためだ。それでもESGに関する評価が企業価値に影響を与えるとみられており、投資家にとってこうしたスコアのチェックも欠かせないだろう。


QUICK リサーチ本部 遠藤 大義