ESG評価会社アラベスクS-Rayによる2021年9月30日時点の日本企業のESGスコアをランキングしたところ、首位はユニ・チャーム(証券コード8113。以下、銘柄略称のユニチャームと表記)の73.37点だった。四半期末ベースで比べると、6月末時点の2位から順位を上げ、首位だったオムロン(6645)と入れ替わった。また上位10社の顔ぶれを1年前に比べると5社が変わった。

 世界ランキングでユニチャームが5位、国内2位のオムロンは7位

 ユニチャームのESGスコアを四半期末ベースで振り返ると、1年前の2020年9月末時点は65.35点で37位だった。そこから着実に点数を上げ、21年3月末には70.72点と70点台に乗せて国内3位に上昇した。一方、オムロンは2位になったものの、70点台の高得点を維持しており、評価が安定している。今年9月末時点の世界企業ランキングではユニチャームが5位、オムロンは7位だった。

 今年9月末時点で、1年前の11位以下からスコアを上げてトップ10入りしたのは、ユニチャームのほか、4位のコスモス薬品(3349、1年前は48位)、5位のヤマトホールディングス(9064、同24位)、6位のピジョン(7956、同15位)、10位のナブテスコ(6268、同34位)。日本企業565社の分布状況を10点刻みで見ると、50点以上60点未満が251社と最も多く、40点以上50点未満が144社、60点以上70点未満が106社で、平均は52.28点だった。

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 アラベスクS-Rayは70カ国・地域以上の約8000社について公開情報と世界の情報元からESG評価に必要なデータを収集し、独自の手法でESGスコアを毎日更新している。ESGスコアは100点満点で、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)の3つのサブスコアから構成され、ESG課題の株価へのインパクトを考慮して、業種ごとに評価項目のウエートを変えているのが特徴だ。

ユニチャームはGサブスコア向上、株価上昇率は日経平均下回る

 ユニチャームのESGスコアを構成する3つのサブスコアを1年前と比べると、環境が72.26点から73.38点に、社会は68.16点から70.34点に、企業統治は58.55点から75.32点にそれぞれ上がった。企業統治の取り組みに対する評価が高くなり、スコア全体を押し上げたようだ。

 ユニチャームのホームページで「サステナビリティ」の項目を見ると、2020年10月に発表したグループ中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」が目に入る。「ESGデータ」欄では21年5月に公開した「サステナビリティレポート2021」を掲載している。持続可能な社会の実現に向けたビジョンや取り組み、ESG情報開示の充実などが高く評価されているようだ。

 ユニチャーム株の9月30日の終値は4949円で、1年前に比べ5.0%上昇した。この間に日経平均株価は27.0%上昇しており、ESGスコアの上昇と株価が連動しているとは言い難い。株価は収益をはじめとするニュースや割安・割高の判断など様々な要素が影響するうえ、アラベスクS-Ray以外にも複数のESG評価会社があり、それぞれ評価基準が異なっている。ただ、ESGに対する関心が高まる中で、株式投資の参考情報の1つになるだろう。

 

ESGスコア上位の日本企業の株価指標
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(出所)QUICK WorkstationのQUICK Knowledge 特設サイト。ESGスコアはアラベスクS-Ray


QUICK リサーチ本部 遠藤 大義