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  今年のPRI in Person2019では、PRIが掲げるテーマ“Responsible investment in an age of urgent transition”に沿って、投資家だけでなく、政府(マクロン仏大統領、ル・メール仏経済・財務大臣など)、市民社会(学生やNGO)、企業(ダノン、エネル:イタリアの大手電力会社・エネルギー会社、ロイヤル・ダッチ・シェル)など気候変動対策の様々な関係者が全体会合に登場し、投資家へのメッセージや、SDGsや気候変動課題への取り組みの実践を語った。脱炭素社会の実現に向けて、今まさに行動を加速する必要があること、これは今回の年次総会を通じての一貫したメッセージであった。

  開催2日目の9月11日(水)午前中に実施された、ロイヤル・ダッチ・シェルのCEO Ben van Beurden 氏と、CA100+を代表して登場した投資家2名(RobecoとThe Church of England Pensions Board)のKeynote Interviewは、さながらライブ・エンゲージメントの様相を呈し、ステークホルダーの協働の必要性とその効果が感じられた。インタビューを通じ、ロイヤル・ダッチ・シェルの全プロダクト・ポートフォリオのグリーン化、プロダクトのライフサイクルを通じてGHG排出量を減少させていく、ネットゼロに向けた戦略が語られた。以下、ロイヤル・ダッチ・シェルのコメントから抜粋する。

・国際的なオイルガス企業として初めて、2050年に向けてScope3を含む野心的なネット・カーボン・フットプリントの削減目標を設定、50%まで削減する。この数字は、パリ協定達成のために社会が求める数字である。

・2019年から、削減目標の達成度合いを役員報酬に連動させており、2020年には、全従業員のボーナスに連動させる

・CA100+のエンゲージメントを通じて、目標達成のためにさらにできることが浮き彫りになってきた

・炭素削減戦略の一部となるビジネスモデルや資産に、振り分ける資本を増やすことも一案である
たとえば、目標達成のために、資本を再生可能エネルギー組成や、バイオ燃料、カーボン・キャプチャーに投じることが必要である 

・セクターごとに排出量削減の方法は異なる。したがって、セクターに属する企業はネットゼロの方法を共に考えるべき。今後必要なことはさらなる目標を立てることではなく、アクションである

  最後は、政策立案者は、ネットゼロに向けて何が必要か考えるべき、とのメッセージで締めくくられた。

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QUICK ESG研究所 後藤 弘子